兵庫県南部地震や東北地方太平洋沖地震などでは、谷や沢を大規模に埋めた盛土造成地で滑動崩落が発生し、造成宅地における崖崩れや土砂の流出による災害が発生しました。また、熊本地震においても、造成地の一部で災害が発生しています。
国土交通省は、大規模な盛土造成地における宅地耐震化の推進を図るため、「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン」を策定しています。
熊本県では、このガイドラインに基づいて、大規模盛土造成地の概ねの位置と規模を調査し、大規模盛土造成地マップを作成しました。
このマップは、調査結果を公表することにより、大規模盛土造成地が身近に存在するかどうか知っていただき、住民の皆様の防災意識を高め、災害の未然防止や被害の軽減につなげていただくことを目的に作成したものです。
※地震が起きた場合に、マップに示す箇所が必ずしも危険ということではありません。
大規模盛土造成地とは
大規模盛土造成地には、”谷埋め型”と”腹付け型”の2種類があり、盛土の面積や高さなどにより、次のように定義しています。
谷埋め型大規模盛土造成地 | 腹付け型大規模盛土造成地 |
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谷を埋め立てた宅地で盛土の面積が3,000平方メートル以上の盛土造成地 | 傾斜地に盛土した宅地で盛土する前の地山の傾斜が20度以上で、かつ、盛土の高さが5m以上の盛土造成地 |
滑動崩落のしくみ
滑動崩落とは、地震時に盛土造成地において、盛土全体又は大部分が、主として盛土底面部を滑り面として旧地形に沿って流動、変動又は斜面方向へ移動することです。
大規模盛土造成地の抽出方法
宅地造成前後の新旧の地形図などを重ね合わせて、造成により地盤が高くなっているところを探し、大規模盛土造成地の2つの定義に該当する箇所を抽出しています。
大規模盛土造成地マップ(苓北町)
大規模盛土造成地マップ(PDF:2.85メガバイト)